人生を狂わせるほどの事故というと自動車のイメージが強いですが、実は自転車でも起こり得ます。
被害者側で後遺症が残るような事故になることもあるということは想像もできるでしょうが、その際には加害者側にも非常に大きな責任が発生します。
具体的には賠償金ですね。
自転車事故で加害者になり、その賠償金で自己破産にまでなった人というのは、意外に沢山いるのです。
目次
過去、実際にあった賠償事例
実際にどのような判決があったのか、過去の事例を見た方がイメージしやすいと思うので、いくつかピックアップしてご紹介します。
(2013年)小学5年生児童の母親に約9500万円の賠償命令
- 神戸市の坂道で交通ルールに反し、高速で下っていた小5児童が散歩中の62歳女性と衝突。
- 女性は意識が戻らず寝たきり。
- 介護費用・逸失利益・慰謝料合算で9521万円。
- 監督義務違反で母親に賠償命令。
自転車事故での高額賠償金が認められた代表的な事例として有名で、最悪の場合は賠償金1億円を超える可能性もありうると証明した裁判です。
おそらく女性の年齢がもっと若ければ、介護費用・逸失利益がより高額になり、さらに高額になっていたでしょう。
高すぎると思う方も多いでしょうが、被害者の状況を考慮すると妥当な額だとされている。
(2014年)信号無視での事故で約4700万円の賠償金
- 男性が赤信号を無視して交差点を直進。
- 青信号で横断歩道を渡る75歳女性と衝突。
- 事故により脳挫傷などで搬送された女性は、その5日後死亡。
- 4746万円の賠償金を命じられる。
やはり交通ルールを無視した運転で、他者に甚大な被害を出したケースですね。
特に年配の高齢者との接触事故の場合、被害者は大怪我をすることがしばしばあります。当たり前ですが、被害者の被害が大きくなればなるほど加害者への賠償命令は高額なものになります。
(2008年)大きな障害が出て約9300万円の賠償命令
- 男子高校生が自転車横断帯のかなり手前から車道を斜めに横断。
- 対向車線を自転車で直進している24歳男性会社員と衝突。
- 被害者会社員は言語喪失等の重大な障害が残る。
- 9266万円の賠償金額。
ここまでは自転車と歩行者の事故ばかりでしたが、この件は自転車同士の事故です。加害者が交通ルールを破って、交通ルールを守っている被害者に損害を負わせたケース。
被害者が若いと、障害や死亡となった時に大きな賠償額になりがちです。
逸失利益(その事故で負った怪我がなければ、本来稼いでいたであろう経済的損失)が大きいからでしょう。
賠償だけですまない?民事だけではなく刑事事件になる可能性も
巨額の賠償責任で自己破産になってしまうこともある自転車事故ですが、事故を起こしてしまった場合、賠償金だけが問題ではありません。
刑事訴訟を起こされて逮捕されてしまう可能性もあります。
刑事事件になるかどうかは、
- どれくらいの被害が出たか
- 悪質かどうか(過失の程度)
といったことを検察が総合的に判断して決めることになります。
場合によっては民事の賠償とは別に、過失傷害罪や過失致死罪が適用されて罰金や懲役が科せられることもあり、自転車事故で人生が狂ったなんてことにもなりかねません。
実際に刑事責任を問われたケース
どのような場合に刑事責任を問われるのか。過去の判例から刑事事件になりえる要素を紹介します。
ひき逃げ
被害者が怪我をしている状態にも関わらず、適切な処置もすることなく事故現場から逃げた場合には、非常に悪質だと判断されて刑事裁判に発展することが多いです。
自動車事故同様、事故をした場合には逃げたりせず、相手の無事を第一に行動しましょう。
飲酒運転
自動車同様、自転車でも飲酒運転は禁止されています。正常な判断力に欠けた状態で運転し、他者に被害を与えた場合には悪質と判断されます。
「飲んだら乗るな」は自転車の場合でも変わりないということです。
明らかな不注意
見通しの良い場所で、前方を見ていたら確実に防げているような事故の場合など、加害者の明らかな不注意が事故のキッカケになった場合は刑事訴訟になることがあります。
法律上、自転車は軽車両という扱いで歩行者よりも車に近い扱いです。
人に大怪我を負わせる可能性がある乗り物を運転しているという自覚を失ってはいけません。
交通ルール・マナー違反時の事故
- 赤信号で横断した。
- 猛スピードで運転していた。
- スマホを触っていた。
など、交通ルールに反したことをしていて事故をした場合には、より大きな責任を追求されます。
運転時はルールやマナーを厳守しましょう。
自転車事故のリスクから身を守る方法
自転車の運転で事故を起こすと、場合によっては人生を狂わせるほどの事態になるということはわかりました。
では、どうやってそのリスクを回避すれば良いのでしょうか。
起こしてからでは対処のしようがありませんので、自転車に乗ることのある方(児童含め)はリスクと対策を理解し、それに努めるようにしましょう。
方法さえわかっていたら、事故リスクをかなり予防することが可能になってきます
交通ルールを覚える
まずは基本中の基本、交通ルールを覚えるところから。
小さなお子様はもちろん、大人ですらわかっていない人が非常に多いのが現状です。
「自分は知っているから大丈夫」なんて言わず、自信がある方も今一度復習の意味も込めて勉強し直してみることをオススメします。
モラルや良識でわかることも多いですが、近年になってから自転車に関する法律なども改正されてきていますので、勉強すればきっと新たな発見がありますよ。
主な自転車用交通ルール
- 自転車は、車道が原則、歩道は例外
- 車道は左側を通行
- 歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行
- 安全ルールを守る
- 子どもはヘルメットを着用
(参照元:警視庁HP)
「安全ルールを守る」の部分だけ、何かザックリとしていますね(笑)
安全ルールとは、
- 飲酒運転禁止
- 二人乗り禁止
- 並列運転禁止
- 夜間はライト点灯の義務
- 信号機厳守
- 一時停止などの標識厳守
などを指します。
自転車は車両であることを自覚し、ルールを守る
上記で学んだ交通ルールを守っていれば、おそらく事故のほとんどは未然に防げますし、万が一事故を起こした場合でも責任は非常に軽いものになります。
どうして事故が頻繁に起こり、賠償問題などに発展するケースが後を絶たないのかと言えば、自転車ユーザーが交通ルール守らないからです。
知っているだけで行動に反映させなければ、知っていないも同じです。
自転車は道路交通法上車両に分類されていて、歩行者よりも自動車に近い存在として位置付けられています。
車を運転していて道路を逆走したり、平気でよそ見をしたりなんてしませんよね?自転車はそれと同じ仲間なのです。
死を招くことすらある危険な乗り物を運転しているという自覚を持ち、細心の注意を払って運転しなくてはいけません。
自転車保険に加入する
どんなに気をつけても万が一は起こり得ます。
その時には賠償責任などの問題も出てくるでしょう。
そんな時に安心なのが自転車保険です。
自転車保険と一概に言ってもなかなか複雑で、大きく分けると
- 加害者になった時に、相手方への賠償金を補償するもの。
- 保険加入者が事故をで怪我などを負った場合に、治療費などを補償するもの。
- その両方。
の3つがあります。
どの保険を必要とするかはそれぞれの判断ですが、普通は①か③のどちらかになります。
ここでは加害者が自分を守るというスタンスで記事を書いていますが、保険を掛けるということは被害者を守る用意をしておくことにも繋がります。
高額な賠償金が発生する事故の場合、加害者は賠償金の支払能力がなく自己破産するケースがよくあります。
その際には当然、被害者は賠償金をもらうことができなくなってしまうことがあります。
しかし保険に入っている人が事故をしてしまった場合は、その賠償金は保険会社から支払われますので、加害者の経済事情によって貰いそびれるということがなくなるのです。
こうした背景から、大阪府では平成28年7月1日より、条例で自転車保険の加入を義務付けることになりました。
自転車保険について
自転車用保険は、実に様々なものがあります。
自転車だけに特化したものから、その他の保険に特約としてついているもの、クレジットカードなどに付帯した保険、これをお読みの方もすでに知らない内に加入しているかもしれません。
以下のものに付いている可能性があるので、加入を考えている方はまず確認してみることをオススメします。
- 自動車任意保険
- 火災・障害保険
- クレジットカード
各種お問い合わせで、「この保険は自転車事故の補償(個人賠償責任保険)にも対応していますか?」と質問すれば答えてくれるでしょう。
もちろんすでに加入している場合は、新たに自動車保険入る必要はありません。
おすすめ自転車向け保険
まだ自転車対応の保険に加入していない方は、できるだけ早く加入することをおすすめします。
自転車専門の保険ですと金額も安いですので、それほど負担にはならないでしょう。
数ある自動車保険を比較してみた結果、もっともオススメできるものをご紹介します。
サイクリック エコノミープラン
月額475円で個人賠償額最高2億円。過去の判例の中で、この保険で賄えない金額になった事例はありません。
この保険費用で、ここまで安心できる自転車保険もなかなかないのではないでしょうか。
詳細 | |
月額 | 475円 |
賠償金額 | 2億円まで |
死亡 | 325万円まで |
後遺障害 | 325万円まで |
入院 | 4,000円/日 |
手術補償 | 2万円/4万円 |
示談交渉・補償 | あり |
これ以外にも事故車救助のためにかかった費用などまで補償してくれたり、至れり尽くせりの自転車保険です。
どれに加入すればわからないという方は、とりあえずサイクリックを選択しておけば問題ないでしょう。
サイクリックこの記事のライターさん
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主にWEB内で生活している自営業者です。
実はらいつどの黒幕です。
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