お酒を飲んだ状態で自転車に乗ってはいけません。
「車じゃないし、自転車なんだから大丈夫でしょ~♪」
なんて考えている人もいるかもしれませんが、実はこれ法律違反なんですよ。
自転車の飲酒運転について
飲酒運転とはお酒を飲みながら・飲んだ後など、体の中にお酒が入っている状態で運転することをいいます。
飲酒運転には刑事責任が伴いますが、これには
- 酒酔い運転
- 酒気帯び運転
の2つの種類があります。
酒酔い運転
自転車・自動車、両方に適用される刑事責任です。
刑事罰の対象となります。
酒気帯び運転
自動車のみ適用される刑事責任で、自転車には適用されません。
自動車は刑事罰対象ですが、自転車は刑事罰の対象になっていません。
自転車は「酒酔い運転」にのみ罰則があります。
酒酔い運転と酒気帯び運転の違い
どちらも飲酒運転ではありますが、この2つには次のような違いがあります。
酒酔い運転
アルコールの影響により「正常な運転ができるかできないか」が判定基準となってきます。
検査は、
- 直線の上をまっすぐ歩けるか
- 視覚など感覚機能、その他判断・認知能力が劣ってないか
などを調べられることになります。
刑事罰は、「5年以下の懲罰または100万円以下の罰金」となります。
酒気帯び運転
血中アルコール濃度が規定値以上である場合が罰則に値します。
あくまでも「アルコール濃度」による判定なので、判断力があってもなくても規定値以上であれば酒気帯び運転と判断されます。
刑事罰は、「3年以下の懲罰または50万円以下の罰金」となります。
自動車の場合は点数がひかれます。
違反点数は、
- 0.15mg未満…罰金・違反点数なし(道路交通法違反ではある)
- 0.15mg以上0.25mg未満…13点
- 0.25mg以上…25点
になります。
罰金罰則に値する人
飲酒状態での自転車運転の罰則は、「酒酔い運転」となります。
ただ、罰則は自転車を運転している本人だけでなく、「自転車を提供・または同乗した人」「お酒を提供・勧めたした人」にも課せられます。
自転車提供者・同乗者
自転車運転手が逮捕された場合「5年以下の懲役または100万円以下の罰金」
お酒を提供・勧めた人
「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」となります。
自転車であっても人とぶつかれば大きな事故を引き起こします。そのため、このように当人はもちろんのこと、それに関わる人も含めた罰則が定められているのです。
飲酒自体は悪い事ではありませんが、それにより人に多大な迷惑等かけてはいけません。
誰でも簡単に乗ることができる自転車ではありますが、自転車も車両であるということを決して忘れてはいけないのです。
忘れてはいけない心構え
自転車事故により死傷者も出ています。
犠牲者の多くは高齢者・子供が多くの割合を占めています。
たかが自転車と思っているのはとっても危険ですので気を付けましょう。
飲酒運転だけでなく、
- スピードの出し過ぎ
- スマートフォンをしながらの運転
- 音楽を聴きながらの運転
などが多くの事故の原因となっています。
自転車の罰金罰則に関しては自動車よりも軽くはありますが、事故後の損害賠償金などは自転車も自動車も変わりはありません。
その額、数千万円、または1億近くなることもあります。
自動車のように自賠責保険がありませんし、また、賠償責任に関する特約などがついた保険はありますが、自転車であるからと保険に入っていない人も多いのが現状。
そのため、全額自己負担となってしまうこともあります。
悪質な運転
ここまで自転車の飲酒運転について書いてきまいたが、他にも悪質な運転はあります。
【悪質運転とみなされる行為】
- 信号無視
- 踏切への立ち入り(遮断機が下りた後)
- 一時不停止
- ブレーキ不良による運転
- 酒酔い運転
- 通行禁止な場所を通行した場合
- 歩道通行時に通行違反した場合
- 安全運転を怠った場合
- 優先車両を妨害した場合
- 交差点で安全進行しなかった場合
- 路側帯通行時に歩行者の通行を妨害した場合
- 通行区分のある道路で定められた区分を走行しなかった場合
- 歩道者用道路にて徐行など車両の義務を違反した場合
- 歩道を通行する際、その通行方法に違反した場合
- 感情交差点にて安全な進行を怠った場合
自転車は軽車両であることを忘れてはいけません。
以上のような行為が3年以内に2回以上あった場合(検挙された場合)、安全講習が義務付けられています。
受講命令に背いた場合は、5万円以下の罰金が科せられることになります。
まとめ
飲んだら乗るな!とは自動車だけに言えることではなく、自転車やバイクなど車両全般に言えることです。
自分さえよければの行動が見ず知らずの人をも巻き込み大変な事故にも発展してしまいます。
死亡事故に至ることもありますし、そこまでいかなくとも後遺症が残ってしまったり、またそうでなくとも精神面に大きな傷を残してしまうこともあります。
いずれにしても自分のみならず相手も大変なことになってしまうのです。
自転車といえども車両に乗っているといことを認識し、飲酒運転を含め危険な運転をしないように心がけて下さい。