忙しい現代社会に生きる方々の強い味方、冷凍食品。
温めるだけで簡単に調理できて、お弁当や日々の食卓に花を添えてくれるありがたい代物です。
最近では自分で作るよりも遥かにクオリティの高い味を楽しめる食品も増えており、私もついつい頼ってしまいます。
そんな冷凍食品ですが、製品の賞味期限や消費期限がどのように設定されているかご存知ですか?
今回は賞味期限や消費期限がどのような根拠で設定されているかについて説明したいと思います。
そもそも賞味期限・消費期限とは
賞味期限
定められた方法で保存した場合、その食品本来の品質(味・色・触感等)を保つことが充分可能な期限を意味しています。つまり簡単に言えばおいしく食べられる期限を表しているのが賞味期限です。
消費期限
定められた方法で保存した場合、腐敗(微生物が食品に付着し増殖していくことで起きる現象)や変敗(糖質や脂質が酸化し食品の色や味が変わってしまい食用は適さなくなる現象)やその他の劣化により安全性を欠くおそれのない期限を意味しています。つまり食べても健康に支障がないということを表しているのが消費期限です。
しかし家庭用の冷凍庫は、使用状況や機能設定などによりマイナス18度に保つことが難しいこともあるので注意が必要です。なるべく頻繁な開け閉め・長時間開けっ放しにしておくことを避けるのが懸命でしょう。
冷凍食品の賞味期限・消費期限の設定根拠
賞味期限・消費期限は冷凍食品製造メーカーが科学的な根拠に基づいて食品に期限表示を行っています。
一定の条件に保存しながら微生物検査、理化学検査、官能検査の3つの検査を実施し、その結果から製造者自身が期限を決定し表示する必要があります。
- 微生物試験…衛星指標菌と呼ばれる一般生菌、大腸菌、大腸菌群等の細菌数を調べる。
(これらは黄色ブドウ球菌やサルモネラ菌などの食中毒菌と密接な関係にあり、衛生状態の指標となる) - 理化学試験…粘りや濁り、比重、pHなどを測定する。
- 官能試験…実際に目で見て匂いを嗅ぎ、食品がどんな状態にあるかを調べる。
上記の試験を食品ごとに任意で定めた期間(例えば2か月、3か月毎)に検体を保存し、いずれかの試験項目において不適格となった試験のひとつ前の試験にあたる経過月数をもって、賞味期限とします。
例)
2019/01 1回目 〇 (製造時)
2019/04 2回目 〇
2019/07 3回目 〇
2019/10 4回目 〇 (賞味期限)
2020/01 5回目 ✖
※この場合は賞味期限を9ヶ月とする。
まとめ
このように、消費期限や賞味期限は定められた基準をクリアし、実際に3つの試験を繰り返すことでどの程度の期間まで食品の品質が保たれるかを判断した上で設定されています。
私たちの食の安全が守られているのはこういった地道な製造者の試験によるものなのですね。
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