犬の平均寿命の違い~昔と現在・大型犬と小型犬~(寿命が違う理由)

大型犬、中型犬、小型犬

ペットとして不動の人気を誇る、犬。出来れば長生きして、同じ時間を楽しく過ごしたい、飼い主さんはそう感じると思います。

そこで気になるのが犬の寿命ですよね。

犬はどれくらい生きるのでしょうか?

犬の寿命ってどれくらいなの?

あまり知られていないですが、犬の寿命はここ20~30年で大きく変わっています。

昔の犬の平均寿命は?

昔の犬の平均寿命は、1990~1991年の調査によると8.6歳だそうです。

オスメスで分けて見ると、オスが8.3歳、メスが9.0歳で、メスの方が長生きという特徴があります。

 

さらに昔の昭和58年ですと、全体で7.5歳と下がり、短命だったようです。

10歳生きると長寿と言われていたようです。

現在の犬の平均寿命は?

現在の犬の平均寿命は、一般社団法人ペットフード協会が行っているアンケートによりますと全体で14.17歳となっています。

 

2014年のデータになりますが、昔と比べて見ると、かなり延びたのが分かりますね。

個体別にも見てみましょう。

超小型犬、小型犬

超小型犬の平均寿命は15.09歳、小型犬の平均寿命は13.93歳です。

個体別の中では一番長生きする確率が高く、超小型犬に関しては、昔と比べ2倍近く寿命が延びています。

(小)中型犬、大型犬

中型犬、大型犬の平均寿命は13.36歳と、超小型犬、小型犬と比較すると全体的に短い傾向がありますが、昔の平均寿命は軽く超えています。

昔より寿命が延びた理由

セピア色のブルドッグ

昔と現在の平均寿命を見ていただきましたが、ではなぜこんなにも平均寿命が延びたのか。

それはやはり犬を取り巻く環境が大きく変わった事が理由です。

食事の質の向上

昔の犬に与えられていた食事は、人間の作った食事の残り物が多かったようです。

例えばですが、白ご飯にみそ汁や余った魚や肉を混ぜたものといった食事もあり、犬にとっては味も濃いですし、塩分も高いです。

摂取しなければならない肉類をあまりとれず、栄養バランスが悪かったという理由で短命だったと言われています。

 

また、人間の食べ物の中には犬が食べてはいけないものがあり、玉ねぎのネギ類がそれにあたります。

そういったものも食べていた可能性も高いです。

現在は、犬に必要な栄養が入った肉類中心のドッグフードが普及している為、健康的になった訳ですね。

室内飼いの増加

現在では犬を室内で飼うのは、違和感もなく普通のことに感じられますよね。

少し前のデータにはなりますが、ペットフード協会が調べた「平成21年度(2009年)犬猫飼育率全国調査」によりますと、室内で飼われている犬は73.3%にのぼります。

 

反対に昔は、犬は「番犬」としての役割が強かった為、外で飼われているのが当たり前だったのです。

その為、外の環境に適応はしていきますが、やはり日本の様に寒暖の差が大きいと、環境によるストレスも強く体調も崩しやすくなります。

そういった形で病気になりやすい犬も多かったようです。

動物病院の増加

動物病院の看板を街中で見かけた、という方もおられると思います。近年は全国的に動物病院の数が増えています。

その影響でワクチン接種や狂犬病の予防接種を受ける犬達が増え、伝染病にかかる犬が少なくなりました。

 

また、夏の時期になると蚊を媒介にした「犬フィラリア症」という病気が出てきますが、昔は今程この病気が認知されておらず、知らないうちに感染し亡くなってしまったというケースもあったようです。

現在は、犬フィラリア症の予防薬も普及し、平成26年の調査では71%の飼い主達がきちんと飲ませているというデータもあります。

大型犬は寿命が短い?

はてなマークの犬型雲

上記で、現在の犬の平均寿命を見てみましたが、超小型犬・小型犬に比べ、中型犬・大型犬の方が短命という結果が出ていました。

ではなぜ大型の方が小型より短命なのでしょうか?その理由は体の大きさにありました。

遺伝子の違い

犬の体の大きさは、IGF-1遺伝子というものが決定しているとの研究結果があります。

理由は確定とまではいっていませんが、このIGF-1遺伝子のレベルが高いと体のサイズは大きく、短命の傾向があり、レベルが低いと体のサイズは小さく、長く生きる傾向があるといわれています。

そして、大型犬は小型犬に比べ、このIGF-1遺伝子のレベルが高いといわれているのです。

体の大きさと臓器の大きさの違い

大型犬は体が大きいですよね。しかしその体の大きさに比べ、大型犬の心臓や肺の臓器は小さく、酸素を十分に行き渡らせる事が出来ないのです。

なので、大きな犬ほど体内は常に酸素が不足している状態なのです。

細胞の老化が早い

大きい体を維持する為に、大型犬の細胞の生まれ変わりのスピードは早いです。

よって細胞分裂の回数も多い為に老化も早く、ガン細胞の発生率も高くなってしまうのです。

犬種別にみる 犬の寿命

うつ伏せのラブラドールレトリバー

犬の寿命は犬種別にも差があるのです。長生きする犬種はどれなのでしょうか?

ランキング形式で見ていきましょう。

小型犬の長寿ランキング

第1位(平均寿命:約14~15歳)

  • チワワ
  • ミニチュアダックスフンド
  • マルチーズ

第2位(平均寿命:約13~14歳)

  • トイプードル
  • パピヨン
  • ヨークシャーテリア
  • ポメラニアン

大型犬の長寿ランキング

第1位(平均寿命:約9~13歳)

  • シェパード
  • ドーベルマン

第2位(平均寿命:約10~12歳)

  • ゴールデンレトリバー
  • ラブラドールレトリバー
  • グレートピレニーズ
  • 秋田犬

最後に

犬の寿命について見ていきましたが、私達人間の寿命が延びたように犬達も、栄養状態や飼育環境が改善され、長生きするようになったんですね。

ただ、決して昔の人と犬のあり方を否定している訳ではないのです。

 

昔は昔なりの生き方があり、愛情をもらっていた犬も多くいたでしょう。

人と犬、双方の生活環境の変化はあっても、その間にある愛情は昔と今も変わらないものでしょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)