アナタのパソコンにはグラフィックボード(ビデオカード)がついていますか?
パソコンでゲームをする方や、趣味・仕事でパソコンを使う方は、パソコンにグラフィックボードはついているのではないでしょうか。
ディスプレイに何も映らないときは、グラフィックボードの故障を疑いがちですが、それ以外にも疑えるところはたくさんあります。
グラフィックボードの種類
グラフィックボードには、補助電源がついているグラフィックボードもあります。
まずは補助電源のあり、なしについて説明します。
補助電源のないグラフィックボード
マザーボードから供給できる電力が75wまでなので、消費電力が75w以下のグラフィックボードは補助電源がありません。
マザーボードのPCI-Eスロットに挿すだけで、十分な電力が供給されます。
補助電源があるグラフィックボード
グラフィックボードは性能が良いほど消費電力も大きくなります。
消費電力が75w以上のものは、足りない電力を補う必要があるので、電力を供給する部品(電源ユニット)から直接電力を供給する必要があります。
また、供給する電力によって補助電源のピンの数やケーブル、の本数も変わります。
一般的に、ピンの数は6、8ピン、ケーブルは1,2本が主流です。
高性能なものは、250w以上電力を消費するものもあるので、そういったグラフィックボードは、8ピンが2本必要な場合がほとんどです。
最近は、6ピン8ピンどちらにも対応ができるように、6+2ピンで8ピンになるよう設計されたケーブルが使われています。
ディスプレイに何も映らないっ!
ディスプレイに何も映らないときは、すぐに故障と判断せずに、色んなところを見直しましょう。
接触不良になっていないか
マザーボード上の埃が邪魔をして、接続不良になっていることがあります。
だいたいは挿し直したり、埃を飛ばすことで解消します。
しかし埃を飛ばすときに息を吹きかけると、人間の吐く息の中には水分が含まれるため、それが原因で故障・劣化してしまうので気をつけてください。
しっかり接続されているか
初めてグラフィックボードを付けた方は、HDMIケーブル等のパソコンとディスプレイを繋ぐケーブルを、グラフィックボードではなくマザーボードに接続していることがあります。
- 補助電源があるものは、補助電源がしっかり接続されているか。
- HDMI等のケーブルに異常がないか。
も確認しましょう。
ドライバはインストールされているか
ドライバがインストールされてないのにグラフィックボードを付けても使えないので、しっかりインストールしておきましょう。
ドライバのインストール方法は2つです。
- グラフィックボードを購入したときについてくる光ディスクからインストールする。
- インターネットで自分が購入したグラフィックボードのメーカーを検索し、ホームページから最新のドライバを無料でインストール。
付属のドライバより、ホームページでインストールできる最新のドライバのほうが効率の向上や不具合の修正がされていて、グラフィックボードの性能を発揮しやすいので、オススメです。
何か不具合が出た時も、ドライバを一度削除し、インストールし直すと解消することがあります。
電力は足りているか
電源を入れたときに、
- ファンが一瞬だけ回る
- かくかく回る
- 動作しない
などの症状が出るときには、電力が足りてないことがあります。
グラフィックボードを新しくつけるときは、消費電力をしっかり計算し、場合によっては電源ユニットを買い替えましょう。
そのときは、電源は入るものの、グラフィックボードのファンがかくかく回り、ディスプレイには何も表示されないという症状でした。
400wから650wの電源ユニットに交換することで解消しました。
補助電源ありのグラフィックボードを付ける場合、最低でも5,600wないと、電力不足の可能性が高いようです。
設定が間違っていないか
グラフィックボードが正常に動いていても認識されないときは、BIOSからVGAの優先順位を変えれば認識するかもしれません。
BIOSには優先順位の設定も含まれます。
設定で、グラフィックボードではなくオンボードグラフィックなど、別のデバイスが優先で使用する設定になっていると認識されません。
ケーブルやコネクタが壊れていないか
当然ですが、ケーブルやコネクタが壊れていては、正常に動作して認識していても、ディスプレイには何も映りません。
補助電源のケーブルやコネクタが壊れていると、正常に動作しません。
交換できるものをいくつか持っておきましょう。
故障かな?と思ったら
最近のグラフィックボードは、一定の温度を超えるまでファンが回らないようになっているものがあります。
ファンが止まっていたら、アプリなどで温度を確認してから、故障か使用か判断しましょう。
そのようなグラフィックボードはGeForce製に多いです。
参考 CPU、HDD、GPUの温度を確認できるフリーソフト「HWMonitor」316
逆に、温度が高かったり、ファンの回転速度を早く設定しているとファンの回る音が気になることがあります。
ファンが壊れていたり、埃が邪魔をして音を出していることもあるので、設定を変えたり、ファンを掃除、交換することで解消するでしょう。
性能の高いグラフィックボードには、ファンの軸にベアリングが入っていて、ファンが高速回転しても静かなものが多いです。
逆をいえば、ファンが止まっていても気づきにくいです。
ファンが壊れれば熱がこもり、グラフィックボードだけでなく他の部品の故障の原因になるので、少しでも異常を感じたら点検するようにしましょう。
- グラフィックボードの調子が悪い
- 様子がおかしい
と思ったら、症状は違っても原因は同じことが多いので、ディスプレイがちゃんと映っていても 「ディスプレイに何も映らないっ!」で紹介した方法を試してください。
故障の前兆
グラフィックボードは、急に壊れることもあれば、前兆的な症状が出てから壊れることもあります。
前兆的な症状が出たら、すぐにグラフィックボードを点検しましょう。
真っ暗になり応答しなくなる
ゲームや作業中に、急に画面が暗くなってしまいます。
応答しなくなるので、強制終了するしかありません。
強制終了はパソコンにダメージを与えるので、放っておくとパソコンの他の部品やOSなどのデータが壊れてしまいます。
キーボードが入力され続ける
キーボードのどれかのキーが入力され続けます。
キーボードを疑いがちですが、グラフィックボードが原因の場合、この症状は一定の場所で起きます。
例えば、ゲームのチャット欄では起きますが、検索ボックスでは起きません。
このような症状が出たときは、グラフィックボードに異常があるかもしれません。
認識される時とされない時がある
しっかり接続され、今まで使えていても、急に認識されなくなるときがあります。
これはドライバの不具合や接触不良など、原因がいくつかあるので改善方法もいくつかあるのですが、それらをすべて試しても改善されない場合はグラフィックボードに異常がある可能性が高いです。
画面に異常がでる
画面の異常には、
- ブロックノイズ
- 歪み
- かすみ
- 乱れ
- 異常な色
- 画質の低下
- フリーズ
などがあり、こうした症状が出たときは、モニターかグラフィックボードに異常があることが多いです。
機能が使えなくなる
特に、動画を再生するときにCPUの負荷を減らす「ハードウェアアクセラレーション」という機能が使えなくなります。
グラフィックに関する他の機能が使えなくなることもあります。
異音がする
上記にもありましたが、異音の原因はほとんどファンと埃です。
定期的に掃除をすれば、埃は詰まらないのでファンが正常に回りますが、掃除をしないとファンが正常に回らないだけでなく、温度が上昇し、最悪の場合は埃が発火して危険です。
異臭がする
埃などでショートしたり、コンデンサが破裂して中の電解液が飛び散るなどが原因で異臭がします。
埃は掃除をすれば改善しますが、コンデンサが破裂していたり膨らんでいたりしたら、コンデンサのみを交換すれば安く修理できます。
しかし4,5年以上使っているものであれば、寿命なので買い替えましょう。
故障しているか調べる方法
いろんな方法を試しても治らない場合、ほかの部品が壊れているかもしれません。
そんな時は、
- グラフィックボードが壊れているのか
- それ以外が壊れているのか
調べて確かめてみましょう。
グラフィックボードを外して、ディスプレイをオンボード(マザーボード)に接続します。
それで正常に起動すれば、パソコンに問題がないことがわかります。
唯一問題があるとすれば、電力不足でしょう。
グラフィックボードをもう一枚持っていれば、それに付け替えて、問題なく起動すればパソコンに問題はないでしょう。
設定からグラフィックボードが正常に動作しているか確認することもできます。
Windows10であれば、
スタートボタンを右クリック
↓
デバイスマネージャー
↓
ディスプレイアダプタ
認識されていれば、ディスプレイアダプタの中にグラフィックボードの名前が出てきます。
プロパティを開き、正常でなければ、ドライバに異常がある可能性が高いです。
正常に動作していても、ドライバがアップデートできていないと不具合を起こすので、最新のドライバでなければ最新のドライバをインストールしましょう。
グラフィックボードにおいて気をつけること
普段気をつけること
上記にも記載しましたが、最新のドライバでないと不具合を起こすことがあるので、常に最新のドライバを使うようにしましょう。
また、パソコン自体熱に弱いので、パソコンの温度を常に監視するか、こまめにチェックしましょう。
ここまでにいくつか「埃」と記載しましたが、埃はグラフィックボードに限らず、いろんな不具合・故障の原因ですので、普段から定期的に掃除をしましょう。
パソコンの温度も下がりますし、故障や不具合も防げます。
グラフィックボードに無理をさせないことも大事です。
処理の多いゲームや作業をするなら、性能の良いものに買い替えましょう。
グラフィックボードを付けるときに気をつけること
まず作業をする前に、体内の静電気を逃がしましょう。
静電気を防止してくれる手袋を持っていれば、着用しましょう。
グラフィックボードが接続されているPCI-Eスロットには爪があるものがあります。
外すときは無理やり外さないように、付けるときは、カチッと音が鳴るまで挿し込みましょう。
補助電源があるものをつけるときは、コネクタにも爪があるので、爪が引っかかるまで挿し込みましょう。
新しく付けるときは関係ないですが、グラフィックボードを付け替えるときは、以前のドライバを削除しましょう。
以前のドライバが残っていると、誤作動などの不具合を起こします。
その他に気をつけること
グラフィックボードに限った話ではないのですが、お金に余裕があれば、高額な部品を購入したときには保証に入っておきましょう。
サイトや店舗によって違いますが、購入する時に少し多くお金を払うことで、保証期間を延ばすことができます。
少し多くといっても、それなりにお金がかかってしまうことがありますが、万が一壊れてしまったときに、新品を買いなおすよりは良いでしょう。
グラフィックボードが壊れたときは
もしグラフィックボードが壊れているとわかったら、他の被害が出る前にすぐに使用するのをやめましょう。
といっても、壊れたら自然と使用しなくなると思いますが、グラフィックボードに原因があるとわかっていながら、
「少し不具合が出るだけだし・・・」
と思って使用し続けると、他の部品に影響が出るかもしれませんし、通電しているので、発火、発煙も十分にあり得ます。
そうなると、非常に危険ですので、少し不具合が出るだけでも、原因がわかっているなら、使用するのはすぐにやめましょう。
なぜ治るのかというと、はんだが割れることで、通電しなくなった部分が、 オーブンで加熱することにより、一度溶けて、元に戻ることで治るそうです。
興味がある方は、ネットで調べてみてください。
終わりに…
グラフィックボードというのは、CPUとほぼ同等、もしくはそれ以上の温度まで上昇します。
性能が高いものは80~90℃まで上昇するのが仕様のようです。
そう考えると、埃などがたまると発火するのは自然なことだと思いませんか?
グラフィックボードの不具合や故障は、危険なことにもつながるので、パソコンに必須の部品ではないからといって、決して軽く見ないようにしましょう。