登坂車線の意味とは?駐車や追い越しはダメなのか?制限速度は何キロまで?登坂車線Q&A

登坂車線標識の掲げられた山道

道路を走行していると度々見かける登坂車線。

道路交通法ではどのような決まりになっているか、意外に知らない人が多いです。

ルールを守り、安全快適なドライブができるよう、この機会に知識を深めていってください。

読み方

ちょっと特殊な読み方をするので読めないという方もいるようなので、まずは読み方から。

『登坂車線』と書いて、『とうはんしゃせん』と読みます。
また、『とはんしゃせん』とも読むようです。

「とうさか車線」ではありません(笑)

 

そもそも何を目的に設置されているのか

道路構造令では

「上り勾配の道路において速度の著しく低下する車両を他の車両から分離して通行させることを目的とする車線をいう」

と記載されています。

 

  • 軽自動車など馬力がない車で、上り坂で明らかにスピードの落ちてしまう自動車
  • 荷物などを大量積載し、上り坂になるとどうしても速度がでないトラックなどの車

それらは時に、円滑な交通の妨げになり、渋滞の原因にもなりえてしまいます。

そのような車が誰にも責められることなく、ゆっくりと走ってよいのが登坂車線というわけです。

 

よく「本道車線&追越車線」との違いがわからなくなりがちですが、実は全く違います。

誤解を覚悟で噛み砕いて説明すると、

  • 本道車線よりも早いのが追い越し車線
  • 本道車線よりも遅いのが登坂車線

ということです。

 

どういう場所に登坂車線はあるの?

島根にある急な坂道で有名な江島大橋(ベタ踏み坂)

道路構造令 第21条において、「普通道路の縦断勾配が5%(100mの水平移動に対して5mの高さを昇る勾配)を超える車道、または高速道路(またはそれに準じた道路)の縦断勾配が3%を超える車道については、必要に応じ登坂車線を設けることとする」

引用元:Wikipedia

しかしこれは必須条件というわけではありません。

昔作られた古い道路などはそのままということも多いですし、新しくこの条件に当てはまる道路を作る場合にも「交通量が著しく少ない」などの理由により登坂車線が作られないことも多いようです。

つまりは
「上り坂が急で登坂車線作らないと円滑な交通は難しいかもな・・・」
という時に作られるわけです。

 

登坂車線の最高速度・最低速度

LED式スピードメーター

登坂車線は一般道と同じ扱いになっています。

つまり高速道路内だったとしても、最高速度は60キロということです。
そして最低速度は存在しません。

 

一般道にある登坂車線の場合も同様です。

しかし別途法定速度が決められている道路に関しては別です。

登坂車線と平行して走っている道路に定められた速度が登坂車線にも反映されるようです。
(これについてはよくわからなく、広島県警へお問い合わせして教えていただきました。)

40キロ制限の道路に沿って作られている登坂車線の最高速度も、同様に40キロということです。
最低速度はもちろんですがありません。

 

よく登坂車線はどこでも60キロ制限だと言われる方がいらっしゃいますが、それは誤りだということでした。

 

登坂車線での追い越し

暴走するセダン普通自動車のイメージ

登坂車線を使った追い越しを迷惑と感じる方もいるでしょう。

追い越しについては一般道と高速道路を分けて紹介します。

高速道路の場合

高速道路で追い越しをすることは現実的にまず不可能です。

 

上に書いた通り、登坂車線の最高速度は60キロです。

よほど渋滞していないかぎり60キロで追い越せるなんとことはないでしょう(笑)

しかし本線車道と登坂車線は適用されているルールがそもそも違い別道路という認識なので、60キロ制限を守りつつ追い越せるのであればおそらくOKです。

一般道の場合

追い越しはできません。

道路交通法第28条1項にはこのように記載されています。

「車両は、他の車両を追い越そうとするときは、その追い越されようとする車両 (前車)の右側を通行しなければならない」

登坂車線は必ず右側にあるので、そちらから追い越すことは交通違反となります。

 

駐車・停車は可能なのか

駐車禁止場所を示す標識

高速道路にある登坂車線ではまず見ることはありませんが、一般道の登坂車線には時々トラックが駐車しているということがありますよね。
それは法律的にOKなのでしょうか。

わかりきったことですが、理由もなく駐車している場合は違反です。

 

しかし、

  • 走行不可能な急な車両の故障
  • 急激な体調不良による身体的理由

といった走行することが困難だという緊急の場合には停止表示器材(三角停止表示板・灯火式停止表示器材)をおくことで認められます。

三角表示板

 

登坂車線に駐車・停車して買い物などの用事や睡眠など、認められることはありません。

法律以前に、後続車の衝突など事故にも直結しますので絶対にやめましょう。

 

まとめ

  • 登坂=「とうはん」「とはん」と読む。
  • 登坂車線は、遅い車が迷惑をかけずに走行するための補助道路。
  • 追い越しも駐車も原則禁止。

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